過去一度だけ僕はこの「マンダリン」を抜粋で聴いたことがあります。本当に不気味で訳が分からないという印象しかなく、久しく忘れてました。
この音楽は本来パントマイムと合わせて上演されるのですが、作曲された当時も内容があまりに不健康過ぎて初演が1日で打ち切り、バルトークの生前は全く顧みられなかったそうです。
その内容とは…
その内容とは…
3人の男に売春を強要されている少女。窓の外を通りかかる人たちを誘っている。少女は中国の宦官風の不気味な男を誘惑してしまう。不気味すぎるために少女は彼から逃げ惑う。隠れていた男達はこの宦官を殺しにかかる。が、殴ってもナイフでメッタ刺しにしても死なず、宦官は少女に挑みかかろうとする。あまりに死なないので宦官は部屋の天井から吊るされる。それでも死なず、少女のほうを見つめている。最終的に少女は意を決して宦官を下ろすように男たちに頼み、宦官は少女に抱きつく。少女もそれを受け入れる。その時、やっと宦官の息が絶える。
という、まあ現代でも十分にエグさ爆裂の内容です。
でもショスタコーヴィチみたいに救いようのない陰鬱さとは違い、それだけでない何かがあるような気もします。まだわかりません。
不気味ではあるけれど、不思議に収束感のある、要するにとっちらからない、聴き応えのある曲です。
もしもマンダリンのあらすじから遠ざかって何か違う解釈(というか妄想)ができれば、もっと面白くなるのかもしれません。
しかし返す返すも、今年のサイトウキネンフェスティバルでもバルトークの「青ひげ公の城」が上演されていたことは知っていたんですが、もう少しバルトークの魅力に気づくのが早ければ僕も行きたかった。。。残念です。
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