2014年2月11日火曜日

David Bowie/Scary Monsters (1980)



歴史上イギリスが生んだセンスの中で、ダンディズム、モッズ、キャンピズムは世界中にかなり大きな影響を与えました。
キャンピズムとは聞きなれないかもしれませんが…。

例えばそれはドラァグスタイルとも混同されることもありますが、要するに中性的であることをより前面に押し出したファッションや生き方、在り方、簡単に乱暴に言ってしまえばそう言うものです。日本では例えば美輪明宏、近年ならGACKTなどビジュアル系の人々がそうです。

このスタイルはロックの世界ではマークボランを始めとするグラムロックで顕在化し、デヴィッドボウイが「カッコいいもの」として完成させたといっても過言ではないように思います。

デヴィッドボウイの影響でイギリスの音楽シーンはその後キャンプなスタイルや歌い方が主流となり、Roxy music 、JAPAN、Culture club、デュランデュラン、スパンダーバレエなど多くのニューウェイブ(ニューロマンティック)アーティストが続きました。

特に日本ではもともと歌舞伎などにも見られるように中性的な男性像は割と普遍的であり、衆道や陰間といった男色文化もあり抵抗なく受け入れられました。

しかし世界的に見るとキャンプは、そのスタイルやキャラクターがしばしばステレオタイプ化しがちで、その多くはパーツ化するか、加齢や社会との関わりの中で捨て去るか、セクシャルマイノリティのテーマなどと絡んでその行き場を失ってしまったりと、あまり幸せなスタイルとはいい難い部分もあります。

その辺をデヴィッドボウイがどう処理しかいくぐってきたのかは様々な人が分析しているので省略しますが、一つだけはっきりしているのは、デビットボウイほど声色を使い分けるボーカリストも珍しいという事実、そしてそのことが彼のキャンピズムやバイセクシャルについての大きな揺れ幅から来ているという点です。

僕が把握できるだけでも4つないしは5つの発声法を持っており、それぞれ意識的に使い分けています。

彼の歌詞の世界、メロディの世界と同様に、声の世界は聴くものに強いイマジネーションを掻き立てさせます。
Scary Monstersはデヴィッドボウイ第一期最後のアルバムです。このアルバムを最後に移籍しますが、充実感、完成度ともにゴールと言っていいものだと思います。

声色によるバージョン違いを堪能することができます。
It's no game part 1
http://youtu.be/E6hEcDt8HZI
It's no game part 2
http://youtu.be/GJtPHlEQ-uU

フェイムを超える名曲。ボウイ特有の一流のファンクです
Fashion
http://youtu.be/GA27aQZCQMk

ヒットシングル(英国1位)。後年のライブ映像です
Ashes to Ashes
http://youtu.be/3gk1DcFz-Uc

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