デヴィッド・ボウイ初期の曲で絶対に欠かせない一曲があります。1969年にヒットした「Space Oddity」。
80年代に日本で初めて出版されたデヴィッド・ボウイの 歌詞集のタイトルにもなっていました。
スペース・オディティは、宇宙船のトム少佐と地上管制塔 とのやりとりが歌になっています。トム少佐は宇宙船から 宇宙遊泳に出て、そのまま宇宙空間に消えて帰らぬ人とな ります。まるでゼロ・グラヴィティのマットコワルスキー のような話です。
虚無感と浮遊感、哀しみとあっけらかんとした楽観が同居 していて本当に不思議な曲です。ボウイを代表する曲の一 つで、スペースシャトルで歌われたりと今だに時々世界の どこかで話題となる曲です。イギリス発売とヒットの時期 はアポロ11号月面着陸と完全に被っています。
アルバム自体はボブ・ディランの強い影響や自己の60年 代の鳴かず飛ばずの時代の曲調を引きずっていてお世辞に も名盤とは言い難いところもありますが、この表題曲に限 っては、キング・クリムゾン以前にエピタフのようなメロ トロンアレンジを使ったり(スペース・オディティのほう が数ヶ月早い)、後のクイーンのロックオペラのような構 成を持っていてとても斬新な曲です。デヴィッド・ボウイ の世界を確立した記念すべき曲です。
この12年後に、ボウイはアルバム「スケアリー・モンス ターズ」のAshes to Ashesという曲で「トム少佐はジャンキーだったのさ 」と、まるでスペースオデティを丸ごと否定するような歌 詞を披露しているのも有名な話です。
それにしても初期の彼の曲にはコックニー訛りがあちこち に出てきます。しかもいつもではなく時々。わざと?
Space oddity