(ハイティンク&アムステルダムコンセルト ヘボウ交響楽団・1966年録音)
ブルックナーという人の交響曲は通算で9番まであるが、おかしな事に1番の前に0番という交響曲がある。ブルックナーが晩年になって若いころに書きかけた交響曲を「習作だけどまあいいか0番てことで」みたいに発表したのでこうなった。 (さらに他に「00番」というのもある)
実際には、第1番を書き上げた後に着手している作品なので、正確には「1.5番」とでもすればいいのだけれど、ブルックナーはどうも整数で番数を付けたかったのか、とにかく0番だそうだ。
ただでさえブルックナーの交響曲は主題や動機がキャッチーでないものが多くて、よく言えば広大で遠大、悪く言えば凡庸で退屈なものが多いのだが、3番あたりまでは、本当にどれを聴いても同じように聴こえる。0番に至っては、ブルックナーらしさすら感じない、個性のないフレーズが延々と続く。
そんな訳で、この0番を指揮する人もオーケストラも極端に少ない。
このハイティンク&コンセルトヘボウの演奏もかなり希少な部類で、ステレオによる録音は、このハイティンク&コンセルトヘボウが世界初となるらしい。
そんな訳で、この0番を指揮する人もオーケストラも極端
このハイティンク&コンセルトヘボウの演奏もかなり希少
現在主に演奏されているのは「ノヴァーク版」と言われる
同じく滅多に録音も演奏もされることのない1番や2番とこの0番のどっちがおすすめ?と聴かれたら、眠く
普通にいろんな人が指揮しているのを聴く
0番以降も3番ぐらいまでは、ワグナー風のフレーズや他の作曲家の影響は残るが、それらは4番で完全に姿を消し、ブルックナー独自の世界に突入する。
もちろん初めて聴くブルックナーとしてはおすすめはしない。4番や7番や8番を聴いた後に0番を聴いてみると、ブルックナーが約10曲の交響曲を通してやりたかったこと、主題やコンセプトがよく見えると思う。